【JリーグYBCルヴァンカップ プレーオフステージ 第2戦 鹿島アントラーズvsアビスパ福岡 2022年6月11日 15:03キックオフ】
しかし、前半アディショナルタイムの最後にアウェイゴールを許すと、後半は福岡の守備をこじ開けることができず。試合には勝ったのは鹿島だが、勝ち抜けたのは福岡だった。
“博多へ帰ろう”を高らかに歌い上げて喜ぶアウェイゴール裏とは対照的に、ホームゴール裏はバッドエンドを迎えていた。これまでは敗れた試合でも拍手をすることしかできなかったが、声出しの解禁はブーイングの解禁でもあった。
ただし、試合に負けた、あるいは、最近の不調で溜まっていたストレスを乱暴にぶつけた、という単純なものではない。サポーターからすれば、鹿島というチームが持つべきスタンスを示した形だった。
ブーイングと共にあちこちから飛んでいたのは「タイトルを逃したんだぞ!それをわかってるのか!?」というものだった。
逆転を目指すホームゲームで声援が解禁。声援が解禁、という前例が当てはまるケースはないとはいえ、鹿島というのはこういう時に勝つチーム、というイメージはあった。しかし結果が、今はそうではい、ということを言っていた。
久しぶりの声援が必要以上に昔を思い出させたこともあってか、結果が突きつけてくるそのショックは大きかった。ここで拍手をして労ったら、鹿島が鹿島でなくなってしまう。そういうブーイングだった。声出しの解禁は、拍手しかできなかったサポーターにとって、厳しさの解禁でもあった。