■熱狂は永遠には続かない

 日本ではみなアディダス製の日本代表ユニホームを着ていたが、韓国の「街頭応援団」が着ていたのは胸に白い文字で「BE THE REDS」と書かれたTシャツだった。これは韓国のサポーター集団「RED DEVILS」が制作したもので、売価は1000円程度だった。しかし社会問題になるほどの熱狂のなかで「国民総RED DEVILS化」し、すさまじい数を売り上げた。ソウルの中心部を真っ赤に染めた映像が世界に与えたインパクトは大きく、このTシャツは大会後数年間、有力な韓国みやげのひとつになった。

 だがもちろん、こうした「熱狂」がそのままずっと続いているわけではない。日本では、ワールドカップの成績次第で日本代表の人気が上がったり下がったりしてきたが、国民的な関心が続いているわけではない。ことしのワールドカップでは、以前の「ジャパンコンソーシアム(テレビ局連合)」方式がとれず、ネット配信が中心になったことで、一般の関心度はさらに低下する恐れがある。

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