■乾の今後の道は?
別の道を進むことになったが、それぞれの歩みは続く。
乾はC大阪との契約解除を明かすSNSで、「大好きなサッカーを続けていくために、今日の結論に至りました」とつづっている。
契約解除であるため、乾がどのクラブに移っても移籍金は発生しない。今年のJリーグの夏の登録ウィンドウは7月25日に開くが、和を乱すことを嫌う日本、特にトップリーグであるJ1では、手を挙げるチームはないかもしれない。高額と言われる年俸も、ネックになり得る。2021年にコロナ禍におけるルール違反で浦和レッズを追われた柏木陽介も、行き先はJ3の岐阜だった。
ドイツとスペインでプレーした乾なら、海外も選択肢に入るだろうが、大住氏はその可能性には否定的だ。
「海外は難しい。オーストラリアや韓国には行けるかもしれないが、ヨーロッパは無理。もう若くはないし、どんどん変わっているサッカーの世界で、守備で貢献できないとなると、よほどのハイクオリティな選手でなければ難しい」
乾がまだ第一線でプレーできることは、今季の戦いぶりで証明されている。C大阪としても昨季王者の川崎フロンターレから2ゴールを奪ったMFを失うのはマイナスであることは確かだ。
誰もが傷を負った退団劇。乾本人もチームも、一刻も早くその傷が癒えることを願う。