■倒されるたびに必ずFKを獲得

 もともと、ファウルと受けて倒れることが多く、ネット上でもネイマールがピッチを転がるローリングを元に無数の動画が生み出されているのだが、この日も、ネイマールは吉田麻也板倉滉古橋亨梧ら日本選手になんども倒された。

 その数、前半で6回、後半で3回。

 そして、倒されるたびにネイマールはファウルをもらい、FKを獲得している。無駄に倒れるシーンはまったくなかったと言っていい。

 SNS上では「今日の見どころはネイマールのダイブ」「ダイブうますぎ」といった言葉で語られることも多いネイマールだが、逆にいえば圧倒的なテクニックを相手チームが警戒し、ファウルでしか止められない状況に陥っていることの証拠で、審判が笛を吹くのはファウルを受けているからだ。ボールを奪おうとすると倒れ、それがブラジル代表のFKになる。

 キツめのプレスを与えなければボールは奪えず、少しでも強く当たると鮮やかに転んでFKを奪われる……。まさしく相手チームにしてみれば悪夢のようなプレーヤーだろう。

 そして、これほどの技術がありながら、きっちり相手ボールに寄り、自分たちのボールをもらいに行く。ブラジル代表を支えるネイマールのプレーは、ファンからすると天使としか言いようのないものだろう。

 85分、カゼミロに代え、ファビーニョ、ルーカス・パケタに代えてブルーノ・ギマライスというブラジル最後の6人目の交代が告げられると「ネイマールがフル出場!」という驚きの声が周囲から上がった。

 何度倒されても最後までプレー続けたネイマールには、賛辞こそがふさわしいだろう。

PHOTO GALLERY 日本代表対ブラジル代表でのネイマールの苦悶シーン
  1. 1
  2. 2
  3. 3