■6月6日/キリンチャレンジカップ2022 日本代表 0ー1 ブラジル代表(国立競技場)
「千両役者」というしかない働きだった。
試合前、スタメンの発表のシーンで、日本、ブラジルを通じてもっとも大きな歓声が上がったのは、やはりネイマールだった。
それだけ、日本の、そして世界のファンの期待を受けたブラジル代表の10番は、77分にいつもどおり、細かいステップ踏んでPKを決め、1−0という最少得点差でのブラジルの勝利をもたらした。
前半の4分に、自陣のスローインを受けるところまでネイマールは全力で戻り、序盤からチームへの献身的な姿勢を見せたが、それは最後まで揺るがず、ネイマールはチームに貢献しつづけた。
ブラジルはボールを持つと両ウイングがせりだし、4トップのような様相を呈していたが、その中央にいるネイマールは、しばしば中盤までもどってボールを受けている。
自身がドリブルを開始して前進すればチャンスになり、難しいとなれば超高精度のパスを放つ。
27分には、日本のペナルティエリア前でのパス交換から大きなチャンスを生み出し、強烈なシュートを放ったが、日本のGK権田修一が神がかった反応でスーパーセーブ。チャンスを生み出す決定的な能力を見せつけた。
もうひとつ、この試合でネイマールが魅せたのは、実に見事な「倒れる技術」だった。