もちろん、彼らはいずれも経験豊富なワールドクラスのDFたちばかりである。だが、それでも高齢化の影響は必ずあるはずだ。それが、一気に本大会で表面化しないとも限らない。
日本としても、その辺のブラジルの弱点を突いてみたい。
■前線の核となるべきFW
6月シリーズでは、これまで日本のワントップとして“絶対の存在”だった大迫勇也が招集されなかった。森保一監督にとって、6月の4試合の最大のテーマはその大迫の代役を探すことだ。
有力候補としては上田綺世、古橋亨梧、前田大然、そしてパラグアイ戦で先制ゴールを決めた浅野拓磨といった選手がいる。
上田は総合的なセンターフォワードタイプだ。
左右両足のシュートがうまく、ジャンプ力を生かしてヘディングでも得点を狙える。そして、前線でのポストプレーもうまい。彼がうまく機能してくれれば、ターゲットマンとして前線で起点を作ることができる。つまり、これまでの(大迫がいる時と同じ)やり方を続けることができるのだ。
一方、古橋や前田、浅野はいずれもスピードを生かして相手守備ラインの裏に飛び出すタイプ(「裏抜け」タイプ)のFWだ。彼らを攻撃の軸とするためには、大迫がいた時とはパス出しのタイミングなどを微調整しなければならないだろう。
したがって、「大迫の代役」として最も期待したいのは上田ということになる。
ただ、ヨーロッパや南米の強豪国の屈強なDFを相手にすることを考えると、大迫にしても、上田にしてもDFを背負ってプレーするのは容易なことではない。
むしろ、大柄で屈強なDFにとっては、体の小さなFWがラインの裏に飛び出してくる方がむしろやりにくいのかもしれない。
同様に、ブラジルの高年齢化した守備陣に対しても、古橋や浅野を使って裏に抜け出す動きで勝負してみたら面白い。つまり、日本人選手のスピードや敏捷性を生かして戦うことによって、何らかの活路が見出されるのかもしれない。