韓国はプレミアリーグ得点王の孫興民(ソン・フンミン)を始め、強力なアタッカーをそろえていた。だが、少なくとも前半は消極的に守りに入ってしまったのだ。中盤でパスを回せる場面があっても、最終ラインにボールを戻してしまう場面が多かった。
試合の終盤、すでに3点差がついた後で何人もの選手を交代させたことで、ブラジルの守備に緩みが出た時間帯に、韓国代表もようやく攻撃的な姿勢を見せ始め、試合の終盤には韓国は何度か決定機を作りかけていた。
攻め込む回数は少なかった割に、あれだけの枠内シュートを撃てたのだから、前半からもっと積極的に攻撃をしかけてみたら面白かっただろう。
■ブラジルの守備の弱み
ブラジルはワールドカップ南米予選でこれまで17試合を戦って(アルゼンチン戦は延期された)わずか5失点しか許していない。そこで、今回のブラジル代表は守備が強いという前評価が高いのだ。
だが、韓国戦を見る限りではブラジルの守備が盤石であるようには見えなかったのだ。南米予選が行われている間、ブラジルはヨーロッパ勢と対戦機会がなかったが、ワールドカップ本大会ではヨーロッパ勢のスピードのある攻めに苦しむのではないだろうか。
というのは、ブラジルの守備陣がかなり高齢化しているからだ。
韓国戦でもブラジルは4バックで戦ったが、右サイドバックのダニ・アウベスは今年の5月に39歳になった。センターバックはチアゴ・シウバが37歳(ワールドカップまでに38歳になる)。もう1人のCBマルキーニョスは28歳だが、左サイドバックのアレックス・サンドロは31歳。全体として高齢化が進んでいるのだ。アーセナルのガブリエウやレアル・マドリードのミリトンといった若いDFもいるが、韓国戦では出場機会が与えられなかった。