日本代表は6月6日、国立競技場でブラジル代表と対戦する。これまで日本代表が対戦してきた中でも、「最強」のセレソンだ。日本代表はこの最高の機会に、いかにして臨み、ブラジル代表を攻略すべきか。サッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。
■韓国が苦しんだ理由
守備でどんなに頑張ったところで、ブラジルの強力な攻撃を90分間抑えることは難しい。従って、日本としては自分たちでボールを持つ時間を少しでも長くして、自分たちのゴールから少しでも遠いところでプレーしたい。
「ロナウジーニョ相手に守備をしてもやられてしまう。ロナウジーニョには不得意な守備をさせればいい」というのは、先日亡くなったイビチャ・オシム監督の得意の言い回しだった。
その意味では、韓国の戦いぶりが大きな示唆を与えてくれる。
韓国はシュートを25本も打たれて、5失点と完敗した。韓国のシュートはわずかに9本だった。だが、スタッツをよく見てみると、韓国の9本のシュートのうちなんと7本が枠をとらえていたのである。ブラジルの枠内シュートは9本(そのうち2本はPK)だからほぼ互角だ。
とくに、前半は韓国が攻め込む場面はわずか3回ほどしかなかった。だが、それでも韓国は31分のゴールで一度は同点に追いついたのだ。ボックス内でチアゴ・シウバを背負いながらパスを受けて反転して決めた、黄義助(ファン・ウィジョ)の見事なシュートだった。