■万全ではない日本の守備陣

 これに対抗する日本代表の守備陣は、必ずしも万全ではない。

 吉田麻也冨安健洋の2人は日本サッカー史上最強のセンターバックコンビだが、冨安は2022年に入ってから脚の状態が思わしくなく、所属のアーセナルでも再三にわたって戦列を離れていた。現在の状況がどの程度なのか詳細は分からないが、いずれにしてもワールドカップ本大会のことを考えれば、現時点で無理をさせるべきではない。十分なオフを取って、万全の状態で新シーズンを迎えてもらいたいからだ。

 また、大型のサイドバックとして存在感を発揮している酒井宏樹も昨年Jリーグに復帰してからは戦線を離脱することが多く、今回の6月シリーズでは招集もされていない。吉田、冨安、酒井は東京オリンピックにも出場しており、ほとんどオフを取ることもできずに戦ってきた。そのツケが回ってきたともいえる。

 つまり、日本の守備陣は万全の状態からはほど遠いのだ。

 しかし、板倉滉がこの1年で大きく成長したし、谷口彰悟は出場するたびに安定感を増している。そこに伊藤洋樹という新しい戦力も加わっており、日本の守備陣の層は間違いなく厚くなっている。誰が出場するにしても、強力なブラジルの攻撃陣に自由を与えないように粘り強く、そして賢く戦ってほしいものだ。

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