■ブラジル相手にトライすべきこと

 しかし、どれだけ守備陣が頑張ったとしても、ブラジルの強力な攻撃を90分間にわたって抑えきることは不可能だ。日本としては、少しでもボールを持つ時間を長くして、自分たちのゴールから少しでも遠い位置でプレーすることが重要だ。

 パラグアイ戦では、ボールを奪われてからのネガティブトランジションが機能し、高い位置で相手選手を複数の日本選手が取り囲む形を作ってボールを奪えていたし、たとえボールを奪えなくても相手の攻撃を遅らせることには成功していた。

 もちろん、ブラジル相手ではそれも容易ではない。プレッシャーをかけて無理にボールを奪いに行ったら、簡単にパスを回してプレッシャーを回避されてしまうだろう。プレッシャーをかけた分だけ、逆サイドにはスペースができてしまって、ブラジルにそこを利用されてしまうというリスクは大きい。

 しかし、リスクは大きいとしても、日本チームとしてはやはり高い位置からしっかりとプレッシャーをかける守り方にトライすべきだ。

 もし、そのプレッシャーを簡単に回避されてしまったとしたら、プレッシャーのかけ方を工夫していけばいいだけのこと。それによって、ワールドカップ本大会でドイツやスペインと戦う時のプレスのかけ方が少しでも有効になっていればいい。

 プレッシャーをかけるトライを放棄して引いて守っていては、何も分からないし、中盤でのプレッシャーが弱ければ、ブラジルの攻撃陣に自由を与えてしまう。

 プレスに行くべきなのか、引いてブロックを作るべきなのか、的確に判断してなるべく高い位置で守備ができるようにしたい。

(2)へ続く
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