■相馬新監督の大宮はアウェイでドロー発進
今シーズンのJ2で初の監督交代に踏み切った大宮は、東京ヴェルディとのアウェイゲームに挑んだ。
就任からわずか2日での初陣となった相馬直樹監督は、霜田正浩前監督と同じ4-4-2のシステムを採用しつつ、スタメンとポジションに手を加えた。かつてFC町田ゼルビアで指導した山田将之をCBで起用した。2トップの一角には、8試合ぶり先発の奥抜侃志を指名する。また、このところボランチで起用されていた矢島慎也を左サイドハーフに、2トップで出場していた小島幹敏を本来のボランチに戻した。
27分に自陣でのボールロストから失点したが、後半は敵陣でのパスカットからフィニッシュへつなげていく。58分にはシンプルかつスピーディな展開でDFラインの背後を取り、奥抜が冷静なボール処理からゴール右へ流し込んだ。
その後も好機を作り出した。77分、小島の左足シュートがバーを叩く。78分には泉澤仁がGKと1対1になるが、2点目を決め切ることはできない。1対1のままで勝点1を分け合った。
試合後の相馬監督は、選手の頑張りを評価しつつ、勝ち切れなかった展開を悔やんだ。
「あれほどのチャンスを作ったので、しっかり引っ繰り返せなければいままでと同じです。ここまで18試合で17ポイントとほぼ毎試合勝点1の計算でしたが、今日も勝点1でした。覚悟として変わっている部分は見せられたかと思いますが、やはりこれを結果に変えていくにはもう一段必要です」
最後の「もう一段必要」なものとは、シュートシーンでの「精度」だろう。その土台として「質の高いトレーニング」も追求されていくべきだ。
勝点18で20位の大宮は、21位のFC琉球と3差、最下位のいわてグルージャ盛岡とは同4差だ。一方で、18位の山口、19位の栃木とは勝点3差に迫る。16位の水戸、17位のザスパクサツ群馬とも勝点4差で、6月5日の20節は水戸とのホームゲームだ。1日の天皇杯2回戦を挟んで、相馬監督のチーム再建が急がれる。