■「ボーナス」から「目標」へ
理想は、グループリーグ2戦目までに突破を決めて、3戦目では主力に休養を与えることなのだが、強敵揃いのグループEではそれはかなり難しい。だから、目標であるベストエイトを達成するには、うまくローテーションを使いながら4試合目までを戦う必要があるのだ。
“5試合目(準々決勝)以降”がもしあったとしても、それは今の日本チームにとっては「ボーナスのようなもの」となる。まず、目標達成のためには4試合目までをしっかり戦うことが大事だ。
ちなみに「ボーナスのようなもの」という言い方をしたのはフィリップ・トルシエ元監督だった。
2002年ワールドカップ当時は、グループリーグ突破が最大の目標だったからラウンド16以降は「ボーナス」だったのである。
だが、今では日本の目標は一つ上にある。「ボーナス」となるのは5戦目以降なのだ。
その意味で、6月2日から14日まで中3日で4試合を戦う6月シリーズは、ワールドカップ本大会のシミュレーションとして大事な意味を持つ。
したがって、6月シリーズは新戦力や新戦術のテストというよりも、チームの完成度を高めることと同時に、うまくローテーションを使いながら4試合目までを万全の状態で戦うことが重要となる。
グループリーグ突破を想定するとすれば、パラグアイ、ブラジル、ガーナとの3連戦で勝点5はほしい(つまり、2勝以上、または1勝2分)。そして、4試合目(キリンカップ決勝/三位決定戦)を勝ち切ること、だ。
つまり、森保監督にとっても6月シリーズは“模擬ワールドカップ”なのである。