■ピッチ外の力が働くからこそ、“不思議”な展開になる
似た話で記憶に新しいところでは、今シーズンのUEFAチャンピオンズリーグで劇的な試合を続けているレアル・マドリードのカルロ・アンチェロッティ監督が、ホームのサンチャゴ・ベルナベウの魔法について似たようなことを語っている。
「(PSGとの2ndレグ後)先制点への扉が開かれると、スタジアムの魔法が発揮されたね。それがエネルギーとなって相手を殺すことができたんだよ」(PSGとの2ndレグ後)、「勝つには運も必要だ。この大会では奇妙なことが起こるが、それこそがこのクラブの素晴らしさなんだ。我々が、敗退すると思われるような状況になった時にも戦い続けることができるのは、我々のクラブが持つ歴史によるものだよ」(シティとの2ndレグ後)
それを引き出すのは、クラブのここまでの歩み知っているサポーターによるスタジアムの雰囲気だ。怒り、失望するのは、もっと戦えることを知っているからであり、それが1つのきっかけで爆発的なエネルギーとなって選手たちに伝わる。この試合であれば、47分のゴールだ。
ピッチ外の力が働くからこそ、“不思議”な展開になる。
ハットトリックでチームを救ったユンカーは「後半に入ってからは“浦和はキックオフから最後までこうであるべき”という姿を見せられた」と語った。こうしてまたクラブのらしさが選手たちにも受け継がれていく。
もっとも、毎回魔法で目を覚ますわけにはいかない。ロドリゲス監督は「自信につなげ、これからの試合にも有効活用していければ」と浮上を誓った。次は首位の鹿島との試合が待っている。きっかけを授かった浦和にとって、これ以上ない相手だ。
■試合結果
浦和レッズ 3―3 横浜F・マリノス
■得点
12分 水沼宏太(マリノス)
19分 アンデルソン・ロペス(マリノス)
30分 宮市亮(マリノス)
47分 キャスパー・ユンカー(浦和)
81分 キャスパー・ユンカー(浦和)
89分 キャスパー・ユンカー(浦和)