■「国会議事堂前」駅はあるけれど…

 ビックリするのは、地名だとは思っていなかったものがバス停の名前になっている場合です。

 たとえば、ベルギーのブリュッセル空港から市内に向かうバスに乗ると、途中に「NATO」というバス停があります。

「NATO」はロシアによるウクライナ侵略が始まってから注目を集めています。最近は、フィンランドとスウェーデンが加盟を申請しましたよね。

 正式名称は「北大西洋条約機構」。第2次世界大戦終了後の東西冷戦の時に、東側のソ連を中心とする「ワルシャワ条約機構」に対抗するために西側諸国が作った軍事同盟条約で、「NATO(ナトー)」というのはその英語名の略称です。フランス語やスペイン語など、ラテン系の言語による略称は英語とは反対に「OTAN(オタン)」となります。

 その「NATO」の本部がブリュッセル都市圏を構成する「エヴェレ」という街にあり、その前にあるバス停が「NATO」なのです。

 東京メトロにも「国会議事堂前」という駅があるのですから「NATO」というバス停があってもなんの不思議もないのですが……、やはり最初にこのバス停の名前を見た時にはかなりビックリしました。

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