後藤健生の「蹴球放浪記」第111回「“NATO”って、バス停の名前?」の巻(1)ベルギーとスイスの「どストレート」過ぎるバス停の画像
2013年、日本代表はベルギーに遠征し3対2で勝利。この時、筆者は「NATO」というバス停を発見した 提供/後藤健生

 さまざまな交通手段があるが、国外でのバスの旅は格別だ。サッカージャーナリスト・後藤健生は、そう語る。土地を知り、人を知ることで、取材旅行はより豊かなものになっていく。

■カタールではバス代「3円」

 僕は、街の中をバスで移動するのが大好きです。料金が安いのが何よりの魅力ですが(たとえば、2011年のカタール・アジアカップの時によく利用した市内バスはインド亜大陸出身の貧しい労働者向けの交通機関だったので、バスカードを利用すると日本円にして3円程度でした!)、バスは街の中の細い道路を縫うように進みますから、車窓から下町の庶民の暮らしを垣間見ることができるのが最大の魅力です。

 日本でも、駅前商店街の細い道路を人込みをかき分けながら進むようなバス路線がありますよね。あのイメージです。

 もちろん、タクシーに乗って運転手さんとおしゃべりをするというのも街の情報を仕入れるための定番ですが、ある程度は言葉がしゃべれないとこの手は使えません。それに、いつでも良い運転手さんに巡り合えるというものでもありません。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4