■オフサイドの正式な呼び方
「オフサイド」という言葉が初めて文献に出るのは、1845年に書かれた「ラグビー校」のルールだという。ラグビー校とは、フットボールを校技としていた数多くの「パブリックスクール(私立寄宿ハイスクール)」のひとつである。1823年、16歳のウィリアム・ウェッブ・エリスという生徒がフットボールの試合中に「反則」とされていたボールをもったまま前に走るというプレーを見せ、それがこの学校のフットボールのスタイルとなり、やがて「ラグビー・フットボール」として発展するきっかけをつくった学校である。
ただしこのルール上での正確な表現は「offside」でも「off side」でもなく、「off his side」だった。「side」とはチームのこと。フットボールは2チームで争う競技なので、片側のチームを「side」と呼んだ。そして「off」は「離れてしまっている」という意味だ。すなわち、あるプレーヤーが自分のチームから離れてしまっている状態を「オフサイド」と呼んだのだ。