■町田が悩まされた問題

 こうした東京都内に存在するいくつものクラブが順調に発展強化されていけば、いずれは東京もロンドンやブエノスアイレスのようになる日が来るかもしれない。

 だが、それは容易いことではない。まずは、Jリーグに昇格するために数々の関門が存在する。

 これまで、FC東京が旧JFLを通過してJ2リーグに加盟し、その後、順調に発展してJ1リーグに定着するまでになった。非常にスムースにJ1昇格に発展したチームと言っていい。

 一方、FC町田ゼルビアは「少年サッカーの街」だった都下町田市で1990年代に発足。東京都リーグから出発して、関東2部、関東1部、そしてJFLで戦い、2012年にJ2リーグ加盟の夢が実現したのだが、このクラブが苦しんだのがスタジアム改修問題だった。本拠地となった野津田公園の町田市立陸上競技場は当初はメインスタンド以外は芝生席の小さな競技場で、スタジアム基準も満たせず、夜間照明もなく、観客動員数も少なかったため、加盟申請が見送られた経緯がある。2010年にはJFLで3位と成績面では昇格条件を満たしたものの、スタジアムの問題でJ2昇格が見送りとなった。そして、翌年になってスタジアム改修完了の見通しが立ったことで2012年からのJ2リーグ加盟が実現した。

(4)へ続く
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