■鎌田と奥川を解き放つ3-4-2-1は強力なオプションに

 一方、メンバーを固定した4-3-3だけで戦っていては対策されやすくなるのも事実だ。また、森保監督が代表復帰を示唆していたフランクフルト鎌田大地、そしてビーレフェルトで躍動する奥川雅也をこの機会に試しておきたいところ。そこで、3-4-2-1のオプションを推奨したい。2シャドーの形なら、鎌田と奥川の同時起用も可能となる。

 さらにこのシステムであれば、メンバーをほとんど代えることなく試合途中に変形できるはずだ。CBでもプレーできる遠藤をそのまま3バックの中央に落とし、両WGを2シャドーの位置に絞らせるだけで変化できる。唯一、シャドーが適正ポジションではない伊東を代える必要があるものの、伊東は2019年6月のエルサルバドル代表戦で3-4-2-1の右WBとして森保監督の下でスタメン出場しているため、この位置に移動すればプレー可能だ。

 加えて、3-4-2-1はかつて森保監督が得意としていたシステムだ。サンフレッチェ広島時代には、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督の後を継いでこの布陣を採用。「ミシャ式」と呼ばれる、攻守で配置が大きく変化する可変システムを用いて3度もJ1リーグを制している。とは言え、日本代表という即席チームでいきなり可変システムを採用するのは難しいので、戦術ディティールは起用する選手の色によって大きく変わるだろう。

 それでも前述したように、森保監督の「伝家の宝刀」とも呼べるこのシステムには、5大リーグで結果を残しているトップ下タイプの鎌田と奥川を同時起用できるという大きなメリットが存在。特に鎌田は所属クラブで3-4-2-1のシャドーとしてプレーしており、素晴らしいパフォーマンスを披露していることからも大きな期待が持てる。

 もしも両選手が6月シリーズに招集された際は、ぜひこのオプションを試してほしいところ。日本が誇るアタッカー2人の化学反応を楽しみにしたい。

(2)へ続く
PHOTO GALLERY ■【図表】日本代表「鎌田大地・奥川雅也」の同時起用を可能にする「”奇襲”システム変更」!
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