■横浜FC止まる! 熊本が止めた!
5月4日に行なわれたJ2リーグ第14節。アウェイに強いロアッソ熊本が、大きな、大きな勝利をつかんだ。ここまで8勝5分の無敗で首位を走る横浜FCを、敵地ニッパツ三ツ沢で下したのだ。
試合の展開はドラマティックだった。後半アディショナルタイムの90+4分に、伊東俊が自身2試合連続となるゴールを蹴り込む。これが決勝点となり、首位チームに土をつけたのだった。
前半から試合を振り返っていけば、熊本の勝利に驚きはない。持ち前のパスワークをベースとして、アタッカー陣が思い切りの良い仕掛けで横浜FCのゴールへ迫っていった。その結果がアディショナルタイムの決勝弾である。攻撃の起点となる河原創がペナルティエリア内へタテパスを差し込み、藤田一途がさばいたボールを伊東が仕留めた。3つのプレーはすべてワンタッチで、熊本らしいコンビネーションが発揮されている。
前節に続いてアウェイで勝利した熊本は、アウェイでの通算成績を4勝4分1敗とした。敵地で獲得した勝点は「16」で、これはリーグ最多である。通算では5勝5分4敗で、12位につけている。
リーグ戦の3分の1を終えて勝点20は、J1参入プレーオフを狙えるペースだ。実際に、プレーオフ圏となる6位の東京ヴェルディとは、わずかに勝ち点2差となっている。
試合後の大木武監督は、「悪い試合といい試合、悪い時間帯といい時間帯、悪いプレーといいプレーの差があるので、そこをできるだけなくしていきたい」と話した。序盤戦の戦いは、申し分のないものだった。対戦相手の警戒が強まるここから、熊本の真価が問われていく。