大住良之の「この世界のコーナーエリアから」第88回「食べられないコーン」(3)止まらないフットボーラーたちの情熱と工夫の画像
04 サウジアラビアは試合前のピッチにきれいな白線を描いた。(c)Y.Osumi

 サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。重箱の隅をつつくような、「超マニアックコラム」。今回は、いまやトレーニングに不可欠なもの。

■止まらない進化

 「ミニコーン」あるいは「マーカーコーン」と呼ばれることになるこのスポーツコーンは大ヒットし、サッカーのトレーニングに不可欠なものとなった。いま、Jリーグの試合前のウォーミングアップでスペースを区切るために使われているコーンは、圧倒的にこのタイプが多い。以前はけっこう高価だったが、いまAmazonで見れば「5色25枚セットで1479円」などというものが出ている。1枚当たり60円弱という手ごろさだ。

 だがこのタイプのコーンにはひとつの弱点があった。風に弱いことだ。強い風の日にはふわっと浮いて動いてしまうのだ。

 また、高さがわずか5センチとはいえ、このコーンのすぐそばにボールがくるととてもキックがしにくい。そこで近年では、平べったい「マーカーコーン」が開発され、キック練習など、必要に応じて使われるようになった。「小型化」へ突き進んできたコーンの「究極形」と言えるかもしれない。これは風にも強く、「フラットコーン」の名がつけられている。

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