CD(直径12センチ)よりひとまわり大きい、直径15センチ程度のもの。しかし賢明なる読者はすでにお気づきと思うが、ここまでくればもはやこれは「コーン」(円錐)ではない。明らかに「ディスク」(円盤)である。そのせいか、「フラットマーカー」という名で販売しているメーカーもある。
■胸を打つ指導者の情熱
さて、私が最も驚いた「コーン」は、一昨年の11月、近所の公園を通りかかったときに垣間見たものだった。サッカーのためのグラウンドではなく、ただの土の広場のようなところだったが、あたりがもうすっかり薄暗くなった午後5時に近いころ、地元の少年チームと思しき練習が行われていた。その練習で使われていたコーンが、光を放っていたのだ。
「こんなものがあるのか!」と、私は、公園外の道路から、植栽ごしにのぞき込んだ。パス回しのスペースの四隅に置かれたコーンは、薄暗い公園のなかでひときわ光彩を放ち、少年達はそのスペースのなかで夢中にボールを奪い合っていた。だがよく見ると、それは普通の白いマーカーコーンの下にLEDを使ったランタンを置いたものだった。こんなに薄暗い時間でも練習をしようという指導者の熱意に打たれつつ、私は、なんとなく見てはいけないものを見たような気がして、植栽越しに写真を1枚撮ってその場を後にした。