■敗戦に重なった訃報
さて、“ポポヴィッチ節”は試合終了後も続いた。
「試合内容は町田の方が良かった。60分までは町田が攻撃を仕掛けていた。カウンターからの失点をしてしまい、2失点目は不運だった……」
記者会見の席でポポヴィッチ監督は何度もそれを繰り返した。たしかに、試合内容としては町田が握っている時間が長かったのは事実。前半から何度もあったチャンスで決めていれば、おそらく町田が確実に勝利したことだろう。
だが、負けた試合の後で「内容はわれわれの方が上だった」と、繰り返し主張し続けるあたりがポポヴィッチ監督らしいところである。
そんな“ポポヴィッチ節”を聞いて帰宅した夜、イビチャ・オシム監督の訃報に接することになった。これも何かの巡り合わせなのだろうか……。
ランコ・ポポヴィッチはオシム監督の弟子筋に当たる指導者だからだ。