■徳島を崩し切れなかった理由

 しかし、後半に入ると、ホームの町田はさらに攻撃の圧を高めることに成功した。山口が左サイドに回って何度も突破に成功して良質のクロスを上げ、セットプレーからも決定機をつかむ。

 だが、町田が再三のチャンスを生かせないでいると、逆に徳島が60分に先制に成功する。自陣からのパスを受けた杉森がスピードドリブルで左サイドを突破して、ゴール前の混戦から最後は坪井清志郎が決めた。町田が攻め続ける中での見事なロングカウンターだった。そして、74分にはペナルティエリアの角あたりから新井直人が強引に撃ったシュートが町田のDFに当たって入るというラッキーなゴールで徳島が追加点を奪って町田を突き放した。

 60分に失点するまでは見事な攻撃を見せていた町田だが、その後は縦に急ぎ過ぎてなかなか良い形が作れなくなって、反撃の機会はほとんどなくなってしまった。

 町田の攻撃力が削がれたのは先制を許したことによる精神的な原因もあったろうし、サイドを上げて攻撃を仕掛けようとすると徳島にその裏のスペースを狙われたため、攻撃の厚みが作れなくなったためでもあるが、何よりも試合前に振り出した強く冷たい雨の影響でピッチに水がたまってグラウンダーのパスが通りにくくなったことが大きく響いた。

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