イビチャ・オシム逝去の日に「弟子」たちが見せた良質なサッカーと「らしさ」【J2の変化を感じさせる町田ゼルビアと外国人監督】(2)の画像
オシム氏の影響は、今も日本サッカー界に残っている 撮影:渡辺航滋

 例年どおり、J2では熾烈な戦いが続く。その中で、サッカージャーナリスト・後藤健生はFC町田ゼルビアに注目する。初のJ1昇格を狙う町田の戦いぶりと、率いる指揮官、さらにJ2を変化させている外国人監督たちについて考察する。

■首位を相手に激しいゲームを展開

 第12節の横浜FC戦は、相手が首位というだけあって、前半は押し込まれる展開だった。そして、9分に町田側から見て左サイドを崩されて早くも失点してしまう。伊藤翔のクロスを長谷川竜也にヘディングで決められたものだ。

 しかし、全体として押し込まれたものの、町田は守備の局面では両ウィングバックが落ちて、最前線の鄭大世を残して5-4-1で守って決定機を作らせずにしのぎきって、前半の終盤から反撃に出る。

 そして、後半からシャドーストライカーとして入った山口一真の突破力を生かして、後半はボールを縦に縦にと動かしながら決定機を作り続けた。そして、69分には佐野から右WBの翁長聖を経由して、鄭大世と交代したトップのヴィニシウス・アラウージョに渡って同点ゴールを決める。

 両チームが前にボールを付け合い、ボールを巡って激しいプレーの応酬が続く、J2の上位争いらしい激しいゲームだった。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4