■当たっている韓国の戦略

 東南アジアの環境は、素早く動いてスペースに入り込んだ選手に正確なパスを付けていくという日本チームの戦い方を貫くには難しい条件である。

 その点では、「引いて守ってカウンター」という韓国チームの戦い方は有効だ。

 引いてスペースを埋めて守ることで、守備陣が大きくスライドする必要がなくなる。カウンターに徹することで、前線での仕事を少人数で済ませれば、後方の選手の運動量を制限できる。また、大きなスペースにラフなボールを蹴り込んで個の力で打開するという攻撃方法なら、ピッチ状態が悪くても影響を受けることはない。

 そうした要因が絡んで、韓国の戦略が当たっている。それが、今大会での韓国相手の苦戦となったのだろう。

 一方で、韓国チームは東南アジア相手の試合では当然、自分たちでボールを動かして試合をしなければならないことになる。そして、気象条件などの環境に馴れている東南アジアのチームには大きなホームアドバンテージがある。日本相手の試合と東南アジア相手の試合の切り替えに、韓国が苦しんでいるのであろう。

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