J1リーグ第8節には、注目カードが複数あった。その中でも異色だったのがFC東京と浦和レッズの対戦だ。結果はスコアレスドローだったが、内容は熱戦だった。見どころ満載の一戦となった理由を、サッカージャーナリスト・後藤健生がひも解く。
■上位チーム同士の対戦
4月9日、10日に行われたJ1リーグ第8節。前の週末のあの冷たい雨とは打って変わっての初夏の日差しの中での試合となった。まだ体が十分に暑さに馴れきっていないこの時期、選手たちはかなりの暑さを感じたことだろうが、観客にとってはとてもさわやかな気候だった。
そして、第8節には注目カードがいくつかあった。
下馬評を覆して開幕から好調を維持している柏レイソルは、昨シーズンの王者、川崎フロンターレと対戦。まだ波に乗りきれない川崎は、この試合でもボール保持率では大きく上回ったものの、相手ゴールに近い位置でのパス精度が上がらず、なかなかゴールに結びつけられなかったが、それでも前半のアディショナルタイムにマルシーニョが左サイドからドリブルで持ち込んでレアンドロ・ダミアンが決めた1点を守り切って勝利。柏は抵抗はしたものの、シュート3本に抑え込まれてしまった。
一方、堅い守りを武器に持ち前の勝負強さを発揮して前節ついに首位に立った鹿島アントラーズは昨シーズン準優勝の横浜F・マリノスと対戦。鹿島がやや優勢に試合を進めたかにみえたが、横浜FMは試合の終盤に得点を積み重ねて3対0のスコアで横浜FMが勝利した。