■ネルシーニョ監督の狙い通りに進んだ
試合全体も、ネルシーニョ監督の狙い通りのものだった。指揮官はこの日の90分を「今季のベストゲームだったと思います」と評した。「序盤から非常に良い入りができて、終始、戦術的・技術的な部分でほぼ完璧に近かった」からだ。
前半、ボールを持つ柏に対し、磐田はチーム全体で低く引いたものの、攻守が逆転しそうになると柏は鋭いプレスでそれを許さなかった。細谷真大が前線でボールを収め、小屋松知哉が中から外へと開く動きによってフリーでボールを受ける。三丸拡や中村慶太の攻め上がりも効果的で、まさに圧倒という言葉が相応しい展開となった。ゴールはなかなか生まれなかったが、41分にサヴィオがネットを揺らしてみせた。
後半、52分に戸嶋祥郎が追加点を記録した後にプレスの強度が下がり始めると、ネルシーニョ監督は選手交代でそれをカバー。最後には、今季からトップチームに昇格し、ルヴァン杯ではゴールを決めている19歳のフォワード、升掛友護を投入して前へ進む力を失わせず、2-0というスコア以上の完勝を収めた。