■スペインは中を締めてもパスを通してくる
カタールW杯、サッカー日本代表が入ったグループE。対戦するのはドイツ、スペイン、そして「大陸間プレーオフの勝者」――。第2戦で戦う大陸間プレーオフの勝者は、まだ決まっていない。ニュージーランドとコスタリカのどちらが勝ち上がってくるにせよ、グループステージ突破には勝点3奪取がマストだ。
第3戦で戦うスペインとは東京五輪前のテストマッチで対戦し、本大会準決勝で再戦した。テストマッチでは1対1で引き分けたが、真剣勝負では0対1で敗れた。
東京五輪で対戦したスペインは、パスコースを狭める日本の守備ブロックの間へパスを通してきた。中を締めているはずなのに通されてしまうから、さらに締めなければならなくなる。
守備ブロックを締めてもボールが入ってくると、最終ラインは下がらざるを得ない。ダブルボランチも前線も後退を強いられる。
中を締めれば締めるほど、外が空いてしまう状況にも立たされる。東京五輪の日本は守備に奔走し、それでも耐え切れずに延長で力尽きた。
東京五輪の日本戦で見せたサッカーは、スペイン代表にも共通する。自分たちのスタイルを貫いてくる。
日本はセントラルMFの働きが重要になるだろう。アンカーの遠藤航、インサイドハーフの守田英正と田中碧の3人が、中央を締めながら外にも注意を払うという難解なタスクを、どこまでやり通せるか。中央へパスを通されても奪い返す、あるいはボールを下げさせる、といった守備ができるかどうかだ。
スペインはCBからのクサビのパスも鋭い。とりわけ、左CBのパウ・トーレスに攻撃のスイッチを入れさせてはいけない。彼のパスを規制することは、3トップに課せられるタスクだ。