168センチ、68キロ。小さく、そして細い。しかし無尽蔵といっていいスタミナをもち、足腰の強さを生かして当たりにも強い。相手の攻撃を読み、鋭い詰めでボールを奪うと、速い判断から的確なパスを味方につなげ、試合をコントロールする。もちろん、技術は最高クラスのものをもっている。
■川崎の先輩にない橘田の武器
ワールドカップの最終予選では、遠藤航が出場権獲得のオーストラリア戦(3月24日)まで9試合連続で「アンカー」を務め、守田英正、田中碧と絶妙のポジションバランスをつくりだした。クラブと代表でフル出場を続ける遠藤を勝利が確実になった時間帯にベンチに下げたときには、守田がアンカーの位置にはいった。日本代表のアンカーは、この2人で万全の観がある。
しかしそのどちらかにアクシデントがあったときにその代役を務められる選手がいるとすれば、それは橘田だろう。しかも彼には、遠藤にも守田にもない「スピード」という武器がある(だから川崎の鬼木達監督は橘田のサイドバック起用をためらわなかった)。11月にワールドカップ出場選手23人が発表されたとき、そこに橘田の名前があっても、驚く人は多くはないだろう。