その間、森保監督は「ワンチーム、ツーカテゴリー」と言い続けた。日本代表とオリンピック代表。活動は2つのカテゴリーに分かれているが、大枠は1つのチームで、同じチームコンセプトの下、世界に対抗できるチームづくりをするという考え方だった。「日本代表」として参加した2019年のコパアメリカ(ブラジル)では、「オリンピック年代」の若手を大量に招集し、成長を促した。
■まだ選手は発掘できる
2021年の夏に行われた東京オリンピックでは準決勝でスペインに延長の末敗れ、目標としていた金メダル獲得はならなかった。しかし許される3人の「オーバーエージ」枠に日本代表主将のDF吉田麻也(サンプドリア=イタリア)、右サイドバックとして欧州のトップリーグ(フランスのマルセイユ)で活躍するDF酒井宏樹、そしてボランチとしてドイツ・ブンデスリーガで高い評価を受けるMF遠藤航(シュツットガルト)の3人を招集し、「守備を安定させて前線の若いタレントを生かす」という考え方が生きて上位進出を果たした。その結果、「森保ジャパン」の最終目標である「ワールドカップ・ベスト8」に向けて手応えをつかむことができたはずだ。
そうした積み重ねで、森保監督はこの4年間で100人を超す選手を「日本代表」として選出してきた。昨年9月以降のワールドカップアジア最終予選の10試合に招集した選手だけでも38人にも及ぶ。だが彼らに負けない力をもち、チャンスを与える価値が十分ある選手も、まだたくさんいる。今回は、Jリーグのなかで「未招集」の選手から、私が推薦する3人を取り上げたい。