サッカー日本代表は、7大会連続となるワールドカップ出場権を獲得した。これからは本大会に向けてメンバーの選考が進むことになるが、これは単なる「絞り込み」を意味するわけではない。これからオーディションに参加する選手がいても、おかしくはないのだ。新たな候補となり得るタレントたちを、サッカージャーナリスト・大住良之が推薦する。
■選手には「W杯当確」は出ていない
7大会連続のワールドカップ出場が決まった。しかしこれは当然、日本代表という「チーム」の出場が決まったということにすぎない。予選で奮闘し、大きく貢献した選手たちがワールドカップに出場できるという意味ではない。厳しいことだが、今回のアジア最終予選に出場した選手の誰も、4試合連続得点を記録して「救世主」となった伊東純也でさえ、11月にワールドカップ出場23人の一員になる保証はない。それがサッカーという競技だ。
その一方で、予選時にはまったくの「枠外」であっても、所属クラブで高いパフォーマンスを持続し、代表に呼ばれるチャンスを心待ちにしている選手もたくさんいる。そしてチャンスが与えられたときに最高のパフォーマンスを見せてそれをつかみ、ワールドカップの舞台で大きく飛躍する選手もいるかもしれない。まるで「シンデレラ」のような成功物語。それがあるのもサッカーだ。
森保監督は2017年に2020年夏に行われる予定だった東京オリンピック代表チームの監督に就任し、2018年春にはワールドカップ直前に監督交代で就任した西野朗日本代表監督の下でコーチとなり、大会後には両チームの監督を兼ねることになった。コロナ禍でオリンピックは1年延期され、「二足のわらじ」はワールドカップのアジア最終予選スタート直前の2021年8月まで続いた。