伊東はまさにこの予選の救世主だった。オマーンに0-1で敗れた初戦(吹田)でも攻撃陣のなかでは唯一コンディションが良く、3試合目のサウジアラビア戦は出場停止だったものの、これまでの8試合中7試合に先発。昨年11月のベトナム戦から2月のサウジアラビア戦までの4試合連続得点で攻撃のけん引役となった。
伊東は2019年のはじめに柏からベルギーのヘンクに移籍、3シーズン目となった2020/21シーズンには完全にチームの攻撃陣でなくてはならない存在になり、今季、21/22シーズンも厚い信頼を受けてプレーしている。ベルギーという地味なリーグの地味なクラブではあるが、安定したパフォーマンスで常に高い評価を受けていることが、日本代表でも力を発揮することに直結した。
■またしても日本代表を襲ったショック
しかしホーム2連戦で連勝が求められた「1月シリーズ」を前に、大きなショックが日本代表を襲う。2018年からセンターバックのコンビを組み、「アジア最強」の守備を構築してきたキャプテンの吉田麻也と冨安のコンビが、そろってケガで不参加になったのだ。冨安は昨夏にアーセナルに移籍、たちまちプレミアリーグで最高クラスの評価を受ける選手になっただけに、衝撃は大きかった。
このピンチを、ベテランの谷口彰悟と若い板倉滉が救った。チーム全体の調子が上がり、前線からのプレスも効いたことで、谷口と板倉はまったく危なげなく2試合、180分間をこなし、無失点で乗り切った。