2月に開幕した今シーズンのJリーグ。新型コロナウイルスなどの影響もあり消化試合数にバラつきはあるものの、ほとんどのチームが3試合以上を戦い(3月10日時点)、少しずつ傾向が見え始めている。編集部では、J1クラブのここまでの序盤戦のパフォーマンスを振り返りつつ分析。今回は横浜F・マリノスについて見ていこう。
■ターンオーバーを駆使しつつ暫定首位
3月10日までに5試合を戦い、3勝1分け1敗で暫定ながら首位に立つ横浜FM。
ここまでは登録メンバーのうちなんと23人がスタメン出場。新加入の選手も次々にデビューし、大幅なターンオーバーを実行しつつリーグ戦を戦っている。
多くの選手を起用しつつも強さを維持できる要因になっているのは、戦術浸透度の高さだろう。2015~2017年まで指揮を執ったエリク・モンバエルツ監督が欧州スタンダードであるポジショナルプレーを植え付けると、2018シーズンから昨季途中まで率いたアンジェ・ポステコグルー監督がさらに攻撃的に進化させ、現指揮官のケヴィン・マスカット監督が見事にそれを引き継いでいる。
その前衛的かつ攻撃的なスタイルは年々洗練され、ゲームモデルはかなり明確なものになっている。もちろん個人の能力が高いことも関係しているが、試合のなかで何をすべきかがはっきりしている分、新加入の選手も即座にフィットしやすいのだろう。
他にもポジティブな要素は多く、3シーズンぶりの王座奪還に向けて好スタートを切ることに成功している。