■湘南戦との奇妙な一致

 柏はJ1リーグ開幕戦では湘南ベルマーレと対戦して2対0で勝利しているが、この試合でも対戦相手の湘南は前半34分にDFの大岩一貴が退場となっていた。それまで劣勢だった柏は、相手の人数が少なくなったことによって後半2ゴールを奪って勝利した。

 湘南の大岩にレッドカードが提示されたのは前半34分。そして、横浜FMの畠中が退場となったのは前半35分。つまり、柏は2試合(180分間)戦ったうち、じつに110分以上にわたって数的優位に立って試合を進めているのである。

 もちろん、これは偶然の一致ではあるし、柏にとっては幸運だった。だが、いずれにしても「ボールを奪ったらすぐに前に向かって仕掛ける」というチームのコンセプトが相手のDFに脅威を与えて、それが相手の退場という結果に結びついたのだ。

 今後、柏と対戦するチームはカードには十分に注意しなければいけない。

 2月11日の「ちばぎんカップ」でジェフ市原を破った柏はリーグ戦で2連勝。さらに、YBCルヴァンカップでは第1節で京都サンガF.C.と引き分けており、今シーズンは4試合を戦って依然として無敗。そして、リーグ戦では2戦2勝で首位に立つことにも成功した。勝利は選手たちに自信を与え、活力をもたらす。これからしばらくは、柏の試合にも注目していきたい。

 そして、もう一つ注目したいのが、超ベテラン監督のネルシーニョだ。

 先ほども書いたように、昨シーズンのネルシーニョ監督はどこか精彩を欠いた印象だった。だが、今年は表情にも精悍さが戻り、生き生きとしていた印象を受ける。

(3)へ続く
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