大住良之の「この世界のコーナーエリアから」第82回「サッカー日本代表の“聖地”埼玉スタジアム・北側ゴールの呪術」(4) 旧国立競技場にもあった「トヨタカップ」の不可思議なジンクスの画像
ジーコは旧国立競技場にも助けられていた 撮影:渡辺航滋

 サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。重箱の隅をつつくような、大住良之の「超マニアックコラム」。今回は、科学で解明することはできないが、それだけに魅力的でもある「ミステリー」の話。

■世界一決定戦での不思議な事実

 ところで、この「埼スタの北側ゴール」のような例は、他にはないのだろうか。私がただひとつ思い浮かぶのが、東京の旧国立競技場を舞台としたトヨタカップである。

 1981年の2月に第1回大会が行われたトヨタカップ。欧州と南米のクラブチャンピオンが東京で1試合だけ戦って「世界チャンピオン」を決めるという大会だったが、日本代表が奮わなかった1980年代の日本のサッカーにとっては非常に大きなイベントだった。いわば日本のファンが1年にいちど、世界とつながる日が、トヨタカップだったのだ。そしてその初期には、メインスタンドから見て右側、すなわち「南側」のゴールにばかり得点がはいっていたという不思議な事実がある。

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