サッカー日本代表は1月27日、中国代表とワールドカップ・アジア最終予選を戦い、2-0で勝利した。2月1日の首位・サウジアラビアとの対戦を前に、グループBの2位の座を守った格好だ。
今回の勝利はどんな意味を持ち、どんな未来につながるのか。ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生が鋭く語り合う。
■チームづくりの面白い点
――メンバー選考には毎回議論が起きますが、予選を通じながら少しずつ顔ぶれは変わっていきそうですね。
後藤「それが面白いところだよね」
大住「この中国戦を見たところ、両サイドバックと南野拓実、大迫勇也の状態がどうかなと思うんだよね。でも、そこは森保一監督が頑として変えないポジションでもある」
後藤「メンバー発表の会見で、森保監督も自ら『メンバーが変わらないなあと思うでしょうね』と言っていた。どう思われているかは森保さん自身も十分に分かっていて、それでも変えないわけでしょ。なるべく変えず、このままのユニットでやりたいと思っているんだけど、いろいろと不測の事態が起こって、1人代えて、2人代えてと、段々顔ぶれが変わってきているというのが面白いところだよ。今回のように一番変えるつもりがなかったCBまで変えざるを得ない状況になったりね。チームというのは監督がつくっているように見えて、そうじゃない。偶然の重なりで変わっていくこともたくさんあるわけで。田中碧は完璧に主力に定着したし、鎌田大地のチームになるかと思っていたら、守田英正がその代わりになった。左サイドバックも長友佑都から中山雄太に徐々に代わっていくんだろうし。監督が積極的に変えたわけじゃないけど、最終予選7試合を終えて段々変わっていくというのは、チームができていく過程の面白さだよね」
大住「でもサウジアラビア戦は、今回とまったく同じメンバーが先発するだろうね。サイドバックは長友だし、南野と酒井宏樹、大迫も出る」