■攻撃のリズムが単調になった理由
最大の原因は、準備不足だ。
昨年の東京オリンピックで準々決勝敗退となった後、高倉麻子前監督が退任し、新たに池田太監督が就任したが、準備期間が短かったうえに新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあって十分な準備ができなかったのだ。今大会に向けても準備合宿は行ったものの、海外組とは現地での合流となってしまった。
準備不足は明らかである。
さらに、今大会では各国とも新型コロナウイルスの感染に脅かされ、日本が対戦したベトナムも大きな影響を受けていたし、開催国のインドは感染症拡大の結果、チームを編成することができず、2戦目以降を棄権してしまった。
そして、日本チームでは攻撃のエース格である岩渕真奈がイングランドから現地入りした直後のPCR検査で陽性と判定され、隔離を余儀なくされてしまった。その後、陰性が確認されたためベトナム戦の翌25日からチームに合流できることになったが、この間、岩渕はチームのトレーニングに参加できていない。
実際の試合内容を見ても、まだまだだ。チームの立ち上げからあまり実戦をこなしていない現状では仕方のないことだが、攻撃のリズムが単調で、守りを固める相手を崩しきれないもどかしい展開が続いている。
ベトナム戦では、菅澤優衣香と田中美南という日本が誇るストライカー2人を並べたが、点取り屋タイプの2人が同じタイミングで飛び込んでしまった。