【なでしこジャパン考察】露呈された準備不足と、将来への道筋が見えた長谷川唯の2ゴール【アジアカップでサッカー日本女子代表に求められるもの】(1)の画像
長谷川のミャンマー戦での2ゴールは、将来への道筋を感じさせた 写真:ロイター/アフロ

 かつては世界の頂点に立った。その後、なでしこジャパンは五輪出場権を逃す悔しさを味わい、地元五輪を終えた後、再び新たなスタートを切った。現在、ワールドカップ出場権とアジアの頂点を目指してインドで戦う日本女子代表をサッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。

■手放しで喜べない大量得点での連勝

 インドのムンバイを中心に開催されている女子アジアカップに出場している日本代表(なでしこジャパン)が、ミャンマーに5対0、ベトナムに3対0と連勝して準々決勝進出を決めた。

 ただ、ミャンマーやベトナムとはチーム力の差があるので、大量得点での勝利も当然の結果。むしろ、あれだけボールを握り続け、チャンスを作り続けている中、2試合で8ゴールというのは物足りなささえ残る試合だった。2試合とも、相手が元気な前半は1得点のみに終わっている。

 決定力についての不安は大会前から指摘されていた。

 昨年11月のオランダ遠征では、1戦目ではアイスランドに0対2で敗れ、2戦目となったオランダ戦は、相手がほとんど国際試合の経験のない若手選手を並べていたにもかかわらず、0対0の引き分け。2試合連続で無得点という結果に終わってしまったからだ。

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