■23歳以下の若手MFたち、そして1年ぶり招集となった稲垣の評価は?
続いて横浜F・マリノスの渡辺皓太について。昨シーズンのリーグ戦では先発が9試合に留まるなど、十分な出場機会には恵まれないなかでの招集となった。それでも、シーズン終盤の活躍は見事。足元の技術とアジリティを売りに、チームを2位に導いた。中盤にはクラブでも代表でもライバルが多く存在するものの、まだ23歳と若く伸びしろがあることからB評価となった。
追加招集された清水エスパルスの松岡大起は、CBでも起用されるほどのボール奪取力だけでなく、ビルドアップに高く貢献できる攻撃力を持ち合わせた逸材。サガン鳥栖時代には絶対王者川崎相手に19歳とは思えないほど堂々としたプレーを披露した。パリ五輪で中心メンバーとなるであろう大器には、その期待値からB評価をつけた。
同じく追加招集された清水の鈴木唯人もB評価。2トップの一角だけでなく、右サイドでも左サイドでも攻撃的MFの位置でもプレーできるユーティリティ性が特徴。また、昨季のリーグ第25節湘南ベルマーレ戦で決めた、相手陣地中央から4人に囲まれながらも強引に仕掛けてからのループシュートは圧巻。A評価にはならなかったものの、そのポテンシャルは十二分にある。
そして、名古屋グランパスの稲垣祥もB評価。昨季Jリーグでキャリアハイとなる8ゴール記録し、初のベストイレブンにも選出された。さらにルヴァンカップ決勝では貴重な追加点となるミドルシュートを決めて優勝に貢献。そんな記録にも記憶にも残る充実したシーズンを送った稲垣の実力は申し分ないものの、今年で31歳を迎えるために、年齢を考慮して定着はやや難しいと判断した。それでも、「得点を決められるボランチ」というのは大きな武器。最終予選のメンバーに選出されてインパクトを残すことができれば、定着も見えてくるだろう。