■海外移籍を武器に選手を獲得

 ファンやサポーターとしては寂しく感じる部分もあるかもしれないが、これが横浜の今の強みでもある。昨シーズン途中にFWオナイウ阿道がフランスに移籍し、オフにはチーム得点王の前田大然がセルティックに移籍した。横浜での活躍が、海外移籍と直結していることが選手にとって魅力に映っているのだ。

 この日の発表会の中で、チーム統括本部の西澤淳二トップチーム・ダイレクターは「アタッキングフットボールで、マリノスのやり方で点を(多く)取った選手が海外移籍した。自分のキャリアアップ、もう一度欧州でやりたいという形で、マリノスで得点を取ったらまた向こう(=ヨーロッパ)にチャレンジすると思った中でチャレンジしにきてもらいました」と語っており、「(西村)本人も非常に魅力に思って(移籍してきて)いる」と、海外移籍を武器に選手を獲得しているのだ。

 近年、Jリーグでは主力選手が海外に移籍することでチームの立て直しに苦慮する姿が見られている。昨季の川崎も、田中碧三笘薫の2人が海外移籍したあとにチームが失速。なんとか立て直しに成功したが、サッカー内容などの変更を余儀なくされた。

 そうした中で、横浜はオナイウの移籍はおろか、指揮官の“海外移籍”すらも乗り越えて見せた。選手やスタッフの流出を組み込んだうえでのチーム作りをしているからこそ、選手にとってもチームにとってもWIN-WINになっているのだ。

PHOTO GALLERY ■【画像】チーム編成の内容や獲得交渉について、画像を見せながら説明した異例の新体制発表会■
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