2022年はワールドカップイヤーである。夢のような時間がまたやって来るが、誤った方向へ進む危険性も浮上している。サッカーとワールドカップの未来を、サッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。
■カップ戦があるならリーグ戦があってもいい
ワールドカップを2年に一度開催することよりも、FIFAはもっとやることがあるのではないだろうか?
たとえば、「ワールドカップ」が存在するなら、「ワールドリーグ」があってもいいのではないだろうか?
サッカーの大会というのは、実力ナンバーワンを懸けて争うリーグ戦と、その協会が管轄するすべてのクラブに挑戦権が与えられるオープンなカップ戦が存在する。強豪同士が1年かけてホームアンドアウェー方式で争われるリーグ戦の勝者こそが、実力ナンバーワンであり、一方、カップ戦では弱小チームが王者を倒すジャイアントキリングが人々を楽しませる。
そして、「ワールドカップ」は予選やグループリーグではリーグ戦方式が採用されているが、現行方式ではラウンド16以降はノックアウト方式で優勝を争うカップ戦なのだ。
カップ戦が存在するのなら、世界のナショナルチームの実力ナンバーワンを決めるリーグ戦を組織してもいいのではないか。
交通手段が発展した現在であれば、不可能ではないはずだ。もちろん、代表チームの日程というのは非常にタイトなものになっているので、試合数を多くすることはできないだろうが、たとえば8チームのリーグ戦を行うとうすれば、ホームアンドアウェーで各チームが14試合を戦えばいい。リーグ戦を2年かけて行うとすれば、1年間当たり7試合である。