FIFAの大会肥大化策よりも魅力的な「ワールドリーグ」設立私案【ワールドカップの「2年に一度」開催に断固反対する理由】(3)の画像
日本でブラジルと真剣勝負の公式戦も!? 写真:渡辺航滋

 2022年はワールドカップイヤーである。夢のような時間がまたやって来るが、誤った方向へ進む危険性も浮上している。サッカーとワールドカップの未来を、サッカージャーナリスト・後藤健生が考察する。

■カップ戦があるならリーグ戦があってもいい

 ワールドカップを2年に一度開催することよりも、FIFAはもっとやることがあるのではないだろうか?

 たとえば、「ワールドカップ」が存在するなら、「ワールドリーグ」があってもいいのではないだろうか?

 サッカーの大会というのは、実力ナンバーワンを懸けて争うリーグ戦と、その協会が管轄するすべてのクラブに挑戦権が与えられるオープンなカップ戦が存在する。強豪同士が1年かけてホームアンドアウェー方式で争われるリーグ戦の勝者こそが、実力ナンバーワンであり、一方、カップ戦では弱小チームが王者を倒すジャイアントキリングが人々を楽しませる。

 そして、「ワールドカップ」は予選やグループリーグではリーグ戦方式が採用されているが、現行方式ではラウンド16以降はノックアウト方式で優勝を争うカップ戦なのだ。

 カップ戦が存在するのなら、世界のナショナルチームの実力ナンバーワンを決めるリーグ戦を組織してもいいのではないか。

 交通手段が発展した現在であれば、不可能ではないはずだ。もちろん、代表チームの日程というのは非常にタイトなものになっているので、試合数を多くすることはできないだろうが、たとえば8チームのリーグ戦を行うとうすれば、ホームアンドアウェーで各チームが14試合を戦えばいい。リーグ戦を2年かけて行うとすれば、1年間当たり7試合である。

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