■思いがけない「師」との出会い
さて、そのスウェーデンの大会での思い出の一つが記者会見の場でブライアン・グランヴィル先生と会話したことでした。
ブライアン・グランヴィル(Brian Glanville)は、1950年代後半から英国の高級紙『ザ・タイムズ』やサッカー専門誌『ワールド・サッカー』などでサッカー評論を書き続けた世界最高のフットボール・ライターとも言われる人物です。
僕は、中学生になってサッカーを初めてしばらくたった頃に日本の書店で『ワールド・サッカー』を見つけ、その後は定期購読を申し込んでずっと読んでいました。英国の雑誌ですが、イングランドやスコットランドのことではなく、世界のサッカーを扱っている雑誌でした。今とは違って海外のサッカーについての情報がほとんど入ってこない時代ですが、この雑誌を読んでいれば最低限の知識は得られるというわけです。
たとえば、オランダのアヤックスというチームのエースでJOHAN CRUYFFという名前の凄い選手がいるということも、この雑誌で知りました(ただし、この「CRUYFF」という名前をどう発音すればいいのかは謎のままでしたが……)。