■最初にネイマールで狙ったブランド力向上
パリSGは、2017年夏にモナコからムバッペを獲得している。彼の獲得に際して、1年のローンの後、移籍金1億8000万ユーロ(約234億円)を支払った。
時を同じくして、パリにやって来たのがネイマールである。ネイマールに関しては、契約解除金2億2200万ユーロ(約284億円)が支払われ、バルセロナからパリSGへの移籍が決定した。
4億ユーロ(約520億円)の補強資金を投じて、パリSGはムバッペとネイマールを確保した。それはまさに“国家プロジェクト”の一環だった。
パリSGは2011年にカタール投資庁の子会社相当のQSI(カタール・スポーツ・インベストメンツ)に買収されて以降、大型補強を続けてきた。QSIによる買収以降、補強に投じた資金の総額は13億ユーロ(約1690億円)を超えている。
なかでも、ネイマールとムバッペの存在は特別だった。2022年に母国で行われるワールドカップに向けて、カタールがパリSGと欧州のフットボールシーンを通じてブランド力を高めようとしていたのは明らかだった。