【移籍市場バトル】「国家プロジェクト」として取引されるキリアン・ムバッペとネイマール【パリ・サンジェルマンとレアル・マドリード、「神童」獲得の綱引きの裏にある事情】(1)の画像
2021年にはメッシさえ手に入れてしまった「国家クラブ」パリSG 写真:AFP/アフロ
■【画像】ムバッペとハーランド加入時のレアル・マドリードの予想布陣

 2021-22シーズンの冬の移籍市場が幕を開ける。近年、マーケットが開くたびに、注目を集めてきたのがキリアン・ムバッペパリ・サンジェルマン)とアーリング・ハーランドボルシア・ドルトムント)である。
「神童」と呼ばれてきた2人のうち、移籍の可能性が高いのはムバッペの方だろう。ムバッペとパリSGの契約は2022年夏までとなっている。この夏にはフリーになる選手であるということは、契約期間が半年を切る今冬から、他クラブとの自由交渉が可能になるのだ。
 まだ23歳になったばかりでありながら、すでに世界中のフットボーラーの頂点を争おうという選手の動向は、世界の注目を集める。綱引きが行われるその裏には、選手の能力以上にビッグな理由が潜んでいる。

■2021年夏に移籍を望んでいたムバッペ

 キリアン・ムバッペの移籍先の最有力候補と見られているのは、レアル・マドリードである。秘密でも何でもない事実だ。

 レアル・マドリードは2021年の夏も、ムバッペの獲得に動いていた。最終的には移籍金2億ユーロ(約260億円)のオファーを準備したと言われているが、パリSGが首を縦に振ることはなく、2021-22シーズンはフランスでプレーすることが決定した。

「僕は移籍を望んでいた。契約延長をしたくないと思うようになり、移籍の意思をクラブに伝えた。クラブには、僕を売却したお金で、能力の高い代役の選手を獲得してほしかった」とはムバッペの言葉だ。

「6月の終わりには、クラブに移籍する考えを伝えていた。十分に時間はあったと思うし、状況は整理できたはずだ。合意に至ることを願っていた。だけど、残留が望まれれば、そうするつもりだった」

 ムバッペの残留には、理由がある。パリSGにとって、2021年夏にムバッペを移籍させるのは大きなリスクだった。

PHOTO GALLERY ■【画像】ムバッペとハーランド加入時のレアル・マドリードの予想布陣
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