毎年恒例の元日の天皇杯決勝は前倒しで行われたが、年をまたいでJリーグの動きは進行している。チームはオフに入ろうとも新シーズンへ向けてチーム編成を続けているのだ。
来たる2022年シーズンは、どのような1年になるのか。ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生が、いろいろなことが起きた2021年を糧として振り返りつつ、2022年のJ1の行方を占う。
■ACLは鬼門になり得る?
――2022年に浦和レッズに落とし穴が待っている、という大住さんの指摘は興味深いです。
大住「本音を言うと、浦和はまだACLには出ない方がいいんじゃないかと思っていた。もう1年チームづくりをしてからの方が、ちゃんと戦えるんじゃないかと思ったんだよね」
後藤「みんな、口をそろえてACLに出たいと言うのが、不思議でならない。セレッソ大阪は2015年の最終節でACL出場権をつかんで喜んでいたけど、翌年はJ2に落ちちゃった。あのシーズンの最終戦を僕はスタジアムで見ていたんだけど、なんでACLに出ることをあれほど喜ぶのか、不思議に思っていた。選手層が厚くないチームがACLに出ると、とても苦労するんだよ」
――ACLは、鬼門になり得るのでしょうか。
大住「2021年のACLに出なかった横浜F・マリノスとヴィッセル神戸は、リーグ戦で上位に行ったでしょ。かわいそうだったのはガンバ大阪だね。ACLに加えて、コロナでひどい目に遭った。あのダメージさえなければ、いまでも宮本恒靖監督が続投していたはずだよ。2021年にJ1で優勝するのはマリノスだと思っていたんだけど、そう考えたのは川崎フロンターレがACLに出るからなんだよね。だから、川崎は本当に強かったと思うよ」