2021年の日本代表は、久々に「ホット」な時間を過ごした。ワールドカップ最終予選に突入し、年代別代表は東京オリンピックを戦った。その舞台では、なでしこジャパンも奮闘した。
思わぬつまずきがあった日本代表だが、年をまたいで戦いは続く。批判を浴びながらも年明けにはワールドカップ行きを懸けた次の試合が待ち、11月のカタール大会へ向けて歩みを続けるのだ。
日本代表は2021年にどのように道を歩み、2022年へと漕ぎ出していくのか。ベテランジャーリストの大住良之と後藤健生が熱く語り合った。
■プレミアリーグで普通にプレーする冨安のすごさ
――2021年を振り返って、日本代表のベストゲームとベストの選手を挙げてもらえますか。
後藤「3-0で勝った韓国戦(※2021年3月25日の親善試合。鎌田大地、山根視来、遠藤航のゴールで日本が勝利)。何でもいいから、韓国に勝てればいい(笑)。選手は冨安健洋かな。安定していたし、日本のCBがあんなに強いなんて夢のようだよ。しかも跳ね返すだけじゃなくて、両足でパスも通せる。あんな選手が日本に出てくるなんて、夢のようだよ。しかも、プレミアリーグに移籍しても、いとも簡単に通用しちゃっているんだから」
大住「フィジカルや技術だけじゃなくて、メンタルもすごい。環境が変わっても力を出せるというのは、すごいよね「
後藤「プレミアに移籍して、あんなにすぐ馴染んじゃう選手は、世界中を見渡してもそうそういないよ」
大住「僕が見ていてすごいと思った試合は、U-24代表のアルゼンチンとの2戦目(※3月29日の親善試合。林大地、板倉滉の2得点で3−0で勝利)だな。田中碧と板倉滉のすごさ、林大地の決定力。相馬勇紀といった選手もいて、このチームはカタール・ワールドカップに向けて期待できるなと思ったね。
ベストだった選手としては、冨安は圧倒的だったけど、これからの日本の新しいタイプの選手だなと感じたのは田中碧だよね。日本のトニ・クロースという感じでさ。今のサッカーに必要な前へのパスとその鋭さ、精度、タイミング、見る目の良さは抜群だよね。サッカーで一番スリリングなのはシュートシーンではあるけれど、田中の前に出すパスにはシュートに負けない感銘を受けるよね」
後藤「守備も強いしね。もっと早くレギュラーをつかむかと思ったけど、結構引っ張っちゃったね」
大住「カタール・ワールドカップでは、前回大会のケビン・デブライネくらいの存在感を見せるんじゃないかな」
後藤「冨安もパスを出せるし、前では久保建英がさばく。すごいじゃないですか」