■W杯の本当の勝負は決勝トーナメントから
後藤「東京オリンピックのフランス戦では、先発の顔ぶれを変えられる状況を自らの力でつくったのにね。あそこで変られなかったのなら、いまの状況で変えられるわけがないよ。ロシア・ワールドカップでの西野朗さんの大胆さを考えると...。あれはすごい肝っ玉だよね。森保一監督は、チームづくりはすごくうまくやっているんだろうけど、選手の運用でちょっと勇気に欠けることは間違いないね」
大住「森保監督のしっかりした人間性で試合が進められるならいいんだけどね」
後藤「しっかりした人間性に基づいて、堅実にメンバーをそろえているのは間違いないけれど、大胆な采配をするような人じゃない。西野さんは思い切ったことができる人。岡田武史さんも、あの采配を見て、『とても私にはできない』と話していたよ」
大住「ロシア大会では、本当にびっくりしたものね。すごいギャンブラーだと思ったよ」
後藤「だからベルギー戦であそこまで戦えたわけですよ。強豪国にとってはワールドカップのグループステージというのは、手抜きとは言わないけれど、ある程度の力をセーブしながらで勝ち抜くものであって、ノックアウト方式に入ってからが勝負だと思うんだよね。だけど、日本は全力で戦わないとグループを突破できないんだから、限度がある。大会の4試合目、5試合目になると、力尽きてしまう。オリンピックもそうだった」
大住「カタール大会は、そこも厳しいんだよね。すべての試合が準々決勝まで中3日になる。気候は非常に良くて、移動の負担もないとはいえ…」