■相手を立ち直らせてしまった浦和

 こうして、後半は大分に何度か決定機が生まれるようになった。49分には右から渡邉新太が強引にドリブルを仕掛け、トップ下の位置にいた小林裕のスルーパスに小林成豪が反応。抜け出した小林成のタッチが大きくなって、浦和のGK西川周作にストップされてしまったが、その後も大分の攻勢は続いた。

 浦和の方にも、70分にカウンターから関根がドリブルで持ち込み、伊藤敦樹が抜け出した決定機があったが、これは大分のGK高木駿が好セーブで防いだ。

 そして、試合終了間際の90分。FKを直接蹴り込むことなく、しっかりとサイドにつないだ大分は下田がクロスを入れ、そこにCBのエンリケ・トレヴィザンとペレイラの2人が飛び込み、最後はペレイラがヘディングでゴール中央に決めて追いついたのだ。

 前半に浦和が1点リードした後にどのような戦い方をするのか迷っているうちに相手に立ち直りのチャンスを与えてしまったのである。

 そして、後半も主導権を取り戻せないままゲームの終盤を迎え、72分には攻撃で気を吐いていた明本考浩を1列前に挙げて、本職のサイドバックである宇賀神友弥を投入。さらに、83分にはセンターバックの槙野智章を入れて、5バックで逃げ切りを図ったものの、最後に追いつかれてしまったのだ。

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