■リバプールを窮地に陥れたケインとソンのコンビネーション

 このカウンターで猛威を振るったのが、2トップに入ったハリー・ケインソン・フンミンだ。彼らはリバプールの2CBとアンカーのタイラー・モートンをコンビネーションで軽々と振り切り、何度も相手ゴールに肉薄。

 先制点の場面では、相手陣地で味方が奪うとともにケインが正確なポジショニングを取り、エンドンベレからのパスを受けて冷静に流し込んだ。その後、16分にはケインがハーフラインからペナルティエリア前まで持ち運び、並行に走っていたソンにクロス。惜しくもシュートは外れてしまったものの、たった2人で決定機を作ってしまった。

 30分の場面では、今度は逆にソンがペナルティエリア近くまでドリブル。その前をケインが斜めに抜けてリバプールDFを引き付けると、空いたスペースにデレ・アリが出現。GKアリソンのスーパーセーブに防がれてしまったものの、速攻から完全に崩し切ってフリーでシュートを放つことに成功した。

 新型コロナウイルスに感染して欠場したファン・ダイクとファビーニョが出場していればカウンターを早い段階で留められていたかもしれず、スコアはまた違ったものになっていたかもしれない。それを差し引いても、ケインとソンが起点となるトッテナムのカウンターはワールドクラスであり、コンテ監督の武器として機能し続けることだろう。

PHOTO GALLERY ■【画像】「リバプール対トッテナム」55分のシーン。相手CBがトッテナム2トップに気を取られる隙にフリーで裏に抜け出した。
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