2021年のJ1リーグが終了した。4節を残して川崎フロンターレの優勝は決まっていたが、最終節までもつれた争いもある。J1残留というサバイバルレースである。最後まで残ったJ2降格の1枠には、徳島ヴォルティスが収まることになった。初めてのJ1残留を争った徳島には、何が足りず、これからの歩みには何が必要なのか。
■「遅れてきた」新監督
この5年間、徳島ヴォルティスはスペイン人監督の下で戦ってきた。2人のスペイン人監督の下で、である。
2020年に徳島をJ1に導いたリカルド・ロドリゲス監督は昨季限りでクラブを去り、浦和レッズの監督に就任した。徳島の幹部にとっては想定の範囲内の出来事であったらしく、同じスペイン人であるダニエル・ポヤトス監督の招へいを早々に発表していた。
ただし、この5年間ずっと、スペイン人指揮官がチームを率いていたわけではない。コロナ禍において入国が許されず、ポヤトス監督は4月17日のJ1第10節まで指揮を執ることができなかったのだ。
オンラインでの「リモート指揮」により練習などチームの状況は把握していたとはいうが、日本に入れない時間はポヤトス監督とチームにとって、大きなマイナス要素となったことだろう。
ただし、指揮官の「不在」が大きな引き金であったのだろうか。